日本は季節の変化が大きく腐朽する自然素材の木材には過酷な環境です。木材の腐朽は腐朽菌と呼ばれる菌類により起こりますが、スギは抽出成分などの働きにより 腐朽菌に対する抵抗性が比較的高い木材です。
主な建築用木材の野外杭試験における耐朽性
北海道にはいないとされていますが、 本州の木造住宅は古くからシロアリに対する被害に悩まされてきました。その本州の住宅でスギが多く利用されているのは、 スギがシロアリに対する抵抗性を持っていたからです。
主な建築用木材の耐蟻性
木材は乾燥すると収縮し、湿潤状態では膨張する特性があります。 そのなかでもスギは乾燥や湿潤による寸法変化が少ない木材です。 季節による乾燥・湿潤の差が大きい日本でも寸法安定性に優れ、 木理も通直で乾燥に伴う曲りやねじれが少ないのも魅力のひとつです。
スギは寸法変化の少ない木ですが、 接線方向と放射方向の収縮率の差(収縮異方性)が大きいという特徴があります。 収縮異方性の大きい材は割れやすく、樹芯のある柱材などは乾燥せずに 使うと割れてしまいますので注意が必要です。
木材の収縮異方性(木材工業ハンドブック)