木材には多くの空隙があり、熱が伝わりにくい断熱材のような構造のため「触って冷たくない=暖かい」印象を与えます。身近な建築材料と熱伝導率を比べてみると、スギの熱伝導率の低さが際立っているのがわかります。(熱伝導率は数値が小さいほど熱が伝わりにくいことを表します)日本の住宅は靴を脱いで生活するのですから、床・壁等は熱伝導率が低い素材が適しています。
主な建築材料の比重と熱伝導率(木材工業ハンドブック、理科年表)
木材は総じて熱伝導率の低い素材ですが、 木材中の空気層の量(=軽さ)によって熱伝導率に違いがでます。 フローリングで多く使われているミズナラは重い木(空気層の少ない木)であり、 熱伝導率はスギの1.5倍以上あります。 高齢者向け住宅などでは熱伝導率の低さからスギのフローリングが好まれて使われています。
主な国産材の熱伝導率(木材工業ハンドブック)
スギは木材中に空気層を多く含むため断熱性が高く、調湿性に優れます。 日本一軽い木であるキリは古くから衣服を収納するタンスに好まれて使われていました。 軽い木は空気中の水分量を調節する調湿機能が高く、断熱性能も高いため温湿度変化の 激しい日本の気候から衣服を守るには最適な素材だったのです。 スギもキリほどではありませんが軽く調湿性に優れた木材ですから、住宅に使った場合 には室内はもとより、床下や壁裏、天井など温湿度変化の激しい場所で大きな効果を発揮します。
木造住宅(木材使用量20m3)を比重0.38のスギと比重0.55のベイマツで建てると 木材だけで3.5tもスギ住宅は軽くなります。スギ住宅はこの3.5t分の空気層により あたたかく・調湿機能も高い快適な家となるのです!